ライ麦粉と全粒粉の違いは何?代用可能?カロリーや見た目・味の違いは?

ライ麦粉と全粒粉の違いは何?代用可能?カロリーや見た目・味の違いは?

市販されているパンを見てみると、ライ麦粉入りのライ麦パンや、全粒粉が入ったパンがありますよね。

白いパンと比べると栄養価も高そうで、なんだか美味しそう…!

でも、実際のところライ麦粉と全粒粉って何が違うのか知っていますか?

パン作りをしていると、代用可能なのかも気になるところです。

そこで今回は、ライ麦粉と全粒粉の違いについてカロリー・栄養価・見た目・味の違いの観点からお話します。

スポンサーリンク

 

ライ麦粉って何?

ライ麦粉って何?

ドイツパンで有名なライ麦パン

ドイツの他には、オーストリアなどの北欧に広く普及しています。

その起源は、その地域の気候風土に由来するそうですよ。

このあたりの土地では小麦粉を栽培するのに適していなかったため、代替品としてライ麦が栽培されるようになりました。

それを加工したものがライ麦パンとなったようです。

つまり、ライ麦というのは小麦とは全くの別の穀物なのです。

 

そして「ライ麦粉」と言うと、名前の通りライ麦を粉状にしたものになります。

ライ麦にはビタミンB群・カリウム・食物繊維などが豊富に含まれています。

小麦粉と違ってグルテンを作る成分が入っていないため、ライ麦粉で作ったパンはどっしりとした口当たりになるのが特徴です。

 

全粒粉って何?

全粒粉って何?

一方の全粒粉は、小麦とは別物ではありません。

むしろ、小麦まるごとを粉状にしたものになります。

小麦粉との違いは、お米でいうところの精米と玄米と同じようなイメージというと、わかりやすいでしょう。

 

見慣れている小麦粉は白色ですが、殻まで粉砕しているので全粒粉は茶褐色です。

英語では、「whole wheat flour」(全粒の小麦粉)と呼びます。

「whole grain」(全粒穀物あるいはその製品)と記載する場合も。

小麦粉は、小麦の表皮と胚芽を除いた胚乳部分を粉にしたものです。

全粒粉は先ほど書いた通り小麦のすべてをまるごと粉にしているので、そこが決定的な違いなんですね。

全粒粉も小麦から作られているため、小麦アレルギーのある方には残念ながら控えるべき食材なので、注意しましょう。

また、全粒粉のほうが小麦粉よりも流通量が少ないため、同じ穀物とは言えど少し値段が高いことも特徴です。

 

ライ麦粉と全粒粉の違いは?

ライ麦粉と全粒粉との違いについて、なんとなく分かっていただけましたか?

ライ麦粉と言うと、小麦粉とは全くの別物になりますが、全粒粉は小麦粉をまるごと粉状にしたいものになります。

それでは、具体的にどういった違いが出るのか、カロリーや栄養価、見た目や味について見ていきましょう。

 

ライ麦粉と全粒粉のカロリー・栄養価比較

日本食品標準成分表からそれぞれの栄養価を比較してみました。

ライ麦粉全粒粉強力粉それぞれ100gあたりの数字になります。

  ライ麦粉 全粒粉 強力粉
カロリー(kcal)  334  328  365
脂質(g)  1.6  2.9  1.5
ナトリウム(mg)  1  2  0
カリウム(mg)  140  330  89
炭水化物(g)  75.8  68.2  71.7
タンパク質(g)  12.7  12.8  11.8
マグネシウム(mg)  100  140  23
鉄(mg)  3.5  3.1  0.9
亜鉛(mg)  3.5  3.0  0.8
銅(mg)  0.44  0.42  0.15
ビタミンB1(mg)  0.47  0.34  0.09
ナイアシン(mg)  1.7  5.7   0.8
葉酸(μg)  33  48  16
食物繊維(g)  13.3  11.2  2.7

ライ麦粉や全粒粉の方が、一般的にパンに使われる強力粉と比べるとカロリーも低く、栄養分も高いですね。

特に多く含まれているのが、食物繊維葉酸

食物繊維のおかげで便秘改善にもぴったりですし、葉酸は女性には欠かせない栄養素なので嬉しいところです。

 

ライ麦粉と全粒粉のどちらが優れているか?ということに関しては、なかなか判断が難しいでしょう。

小麦の胚乳部分が含まれているため、全粒粉が脂質が多目かな…という印象ですが、カリウムやナイアシンの多さは見逃せませんね。

 

ライ麦粉と全粒粉の見た目比較

続いては、ライ麦粉と全粒粉の見た目を比較してみたいと思います。

まずはライ麦粉から。

↓このような見た目になっています。

ライ麦粉

続いては全粒粉。

↓全粒粉は、こちらです。

全粒粉

正直…両方とも茶褐色という特徴はありますが、あまり変わらない見た目をしていますよね(笑)

そのため、間違って買ってしまう人も多いかもしれません。

 

ライ麦粉と全粒粉の味の違い比較

ライ麦は、独特の酸味と粘りが特徴です。

ライサワー種やライ麦を使用するとphも低くなる為、独特の酸味が出て来ます。

また、ライ麦は小麦粉のようにパンを膨らませる蛋白質が極端に少ない事から、ライ麦の量が増えるほどにボリュームも小さくなります。

そのため、見た目以上にずっしりと中味の詰まったパンとなり、粘りのある食感となります。

 

 

一方の全粒粉は、表皮と胚芽からくる香ばしい風味と、歯ごたえのある食感を持っています。

全粒粉でできたパンは、普通の小麦粉で作られたパンと比べ、もちもち感が少なくなります。

とは言え、全粒粉の穀物は小麦ということで普通の白パンと同じ穀物。

ライ麦パンよりは普通の白パンに近い味になっていますので、親しみやすい味かもしれません。

 

ライ麦粉と全粒粉はそれぞれ代用可能?

ライ麦粉と全粒粉は見た目が似ているので、間違って購入してしまった…!という経験がある方もいるかもしれません。

実際、ライ麦粉と全粒粉は代用可能なのでしょうか?

パン作りについて見ていきましょう。

 

小麦粉にはグルテンという網目状のタンパク質が精製されて、ご存知のようなよく膨らんだパンが出来上がります。

ところが、ライ麦のほうにはそういった仕組みがありません。

そのため、ライ麦粉だけでパンを作ると平たくあまり膨らまないパンが出来上がります。

別名「レンガパン」とも言われていますね。

だから普通は小麦粉に、ある一定のライ麦粉を混ぜて焼きます。

また、全粒粉でパンを作る時も同様で、市販されている全粒粉入りの食パンの多くは15%程度の配合が多いです。

 

ライ麦粉や全粒粉でパン作りをする場合、15~30%程度の配合であれば、同じレシピで代用可能です。

もちろん味や風味は異なってしまいますが、「パンを作ることが出来るか?」という点では全く問題ありません。

しかし、「小麦粉を使わない100%のライ麦パンや全粒粉パンを作りたい!」と思ったら、注意が必要です。

ライ麦粉や全粒粉が多いほどグルテン生成が出来ませんし、凝固する温度が小麦と違うので焼き上がりにも影響を与えてしまうからです。

 

一般的なライ麦パンや全粒粉パンのレシピを見ると、

  • ライ麦パンにはサワー種、サワークリーム、酢など
  • 全粒粉パンにはグルテン粉

を加える事によって作りやすくされています。

 

ライ麦粉と全粒粉はどちらも優秀な粉!

ライ麦粉全粒粉についてお話しました。

小麦粉よりも値段は少し高くなりますが、どちらも栄養価の点ではとても優れています。

  • ダイエット中だけどパンが辞められない!
  • 毎日のパンをもっと栄養価アップしたい!

という方は、ぜひライ麦パンや全粒粉パンを試してみてくださいね。

スポンサーリンク